法人成りして従業員を雇った時、社会保険の他にも必ず加入しなければならないのが労働保険です。労働保険とは、労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険の総称です。
加入の前に確認することがあります。それは自分の会社の事業の種類です。大まかに2種類あります。農林水産業と清酒製造業、建設業は二元適用事業所、それ以外の事業所は一元適用事業所となり、それぞれ手続きや保険料の納付方法が異なります。
ここではほとんどの法人が当てはまる一元適用事業所について説明しますが、一元適用事業所とは、労災保険と雇用保険を1つの労働保険としてまとめて取り扱う事業所のことを言います。会社が労働保険に加入するには、会社の所在地を管轄する労働基準監督署に届出をする必要があります。最初の手続きは、会社の保険関係成立です。また、保険料の納付も必要になってきます。労働保険は前払い方式なので、最初に概算で次の3月末までの保険料を申告・納付します。必要書類は次の二つです。
- 労働保険保険関係成立届
- 労働保険概算保険料申告書
そのさい、添付書類として次のものが必要です。
- 会社の登記簿謄本(コピー可)
- 役員を除く全従業員の賃金台帳
労働保険保険関係成立届の手続きによって、労働保険番号がもらえます。労働保険の加入手続きや保険料の納付が完了すると労災保険の手続きは終わりです。次は雇用保険に関する手続きです。こちらはハローワークで行います。この時に労働保険番号が必要で、必要書類は次の二つです。
- 雇用保険適用事業所設置届
- 雇用保険被保険者資格取得届(加入者の人数分)
添付書類は以下の通りです。
- 会社の登記簿謄本(コピー可)
- 労働保険保険関係成立届の事業主控
- 取引先との請求書、領収書、納品書などのコピーを2、3枚
- 加入者全員分の労働者名簿
- 加入者全員分の出勤簿のコピー
- 加入者全員分の賃金台帳コピー(給与の支払がまだの場合は不要)
これらの手続きに行くときは代表印を持っていきましょう。
労働保険の変更手続き
個人事業主時代に従業員を雇用していた場合に引き続き雇用を継続する際は、労働保険名称、所在地等変更届という書類を管轄する労働基準監督署へ提出します。変更後の会社名や変更年がぴ、変更後の住所などを記載し、会社の登記簿謄本のコピーを添付します。
また、上記と同様、これまで雇用保険に加入していた場合にも変更届の提出が必要になります。管轄のハローワークへ、雇用保険事業主事業所各種変更届を提出します。変更後の会社名や変更年月日、変更後の住所等を記載し、登記簿謄本のコピーを添付します。受理されると、雇用保険事業主事業所各種変更届事業主控が交付されます。