よく書店で、「1円で会社を作る」といった本を見かけるのですが、結論、1円で会社は作れません。平成18年の会社法改正により、資本金は１円からでよいことになりました。しかし、会社を作るには定款を作成し公証役場でＯＫをもらい登記することが必要で、そのほかにも代表印も必要です。できることは全て自分でやったとしても、約２５万円はかかります。株式会社の他にも、合名会社、合資会社、合同会社など、会社組織にもいくつか種類があって、２５万円以下で作れるものもありますが、資本金１円だけで会社が作れるわけではないんですね。

ですから、よほどの人でない限り、社長の肩書きが欲しいというだけで会社を作るのは無謀だということです。

会社は作ったら作ったで、赤字でも法人住民税を支払わなくてはなりません。赤字でも均等割りで約７万円かかります。しかも社会保険に強制加入ですから、個人事業主とは比べ物にならないくらいの負担です。交際費に関しては個人事業主よりも不利な条件です。携帯や固定電話の基本料など、個人ではそれほど高くない基本料金も法人になると法人契約になり高くなってしまいます。

会社組織が個人事業主と比べて一番煩わしいのは、財布を分ける必要があるということでしょうか。個人と会社間で簡単に融通し合うことはできませんし、下手をすれば罰せられてしまいます。

このように、社長になりたいだけで作れるものではないんですね。。。