国民年金保険料を免除してもらう

日本の社会保障制度はすでに崩壊しているという人もいるぐらい、先行きが暗くなっています。特に国民年金保険に関しては、現在の若者世代が本当に受給できるのかいささか不安が募る状態です。しかしいずれにせよ、国民年金保険料の納付は原則義務付けられているため、「私は払いたくない!」という一方的な意見は認めてもらえません。

年金を免除してもらう

↑年金は英語でペンション(日本年金機構=Japan Pension Service)

毎月固定給であってもパート・アルバイトであるが為に満足な収入がない場合や、特に開業間もない個人事業主にとっては、ただでさえ利益を上げることで精一杯なのに、毎月約15000円の出費は大変厳しいものです。

しかし、実はこの国民年金保険料、免除してもらう方法があります。国民年金保険料免除・納付猶予制度というものがあるのです。えっ?そんなの市役所の人教えてくれなかったよ!・・・こちらから聞かない限り教えてくれません。(たぶん全国そうでしょう)全国の市区町村役場の前に、国民年金保険料免除・納付猶予制度!!!なんていうでかい垂れ幕を掲示していたら、国民年金保険加入者は皆が免除してもらおうとして大変なことになってしまいます。この制度は、国民年金保険加入者の特権であり、個人事業主の大きなメリットのひとつです。

国民年金保険料免除・納付猶予制度とは

本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合には、申請後に承認されると保険料の納付が免除になります。免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。また、20歳から30歳未満の方は、本人・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合には、申請後に承認されると保険料の納付が猶予される制度もあります。

免除の所得の基準

基本的に前年度の所得に対して判断されますが、会社を辞めた場合は、辞めた会社での所得は計算に含まりません。つまり、会社を辞めてしばらくは国民年金保険に加入予定の場合は、1年間は免除の対象になる確率が高いといえます。

全額免除 : 前年所得が次の計算式で計算した金額の範囲内であること

(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

4分の3免除 : 前年所得が次の計算式で計算した金額の範囲内であること

78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

半額免除 : 前年所得が次の計算式で計算した金額の範囲内であること

118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

4分の1免除 : 前年所得が次の計算式で計算した金額の範囲内であること

158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

若年者納付猶予制度

(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

免除・納付猶予された期間に関する年金額は?

ここがこの制度の凄いところです。簡単に説明すると、免除された期間は国民年金を納付した期間としてカウントされるだけでなく、なんと免除されているにもかかわらず一定の額を国が代わりに納付してくれるのです。例えば、全額免除であれば、全く支払っていないのに約7500円を支払ったことにしてもらえるのです。その額に関しては下記の通り、免除された額にもよります。

全額免除 : 保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1が支給されます。

4分の1納付(4分の3免除) : 保険料を全額納付した場合の年金額の8分の5が支給されます。

2分の1納付(2分の1免除) : 保険料を全額納付した場合の年金額の8分の6が支給されます。

4分の3納付(4分の1免除) : 保険料を全額納付した場合の年金額の8分の7が支給されます。

若年者納付猶予制度 : 納付猶予の期間は、障害基礎年金、遺族基礎年金を受け取るために必要な受給資格期間にカウントされますが、老齢基礎年金額には反映されません。

申請方法などは?

実に魅力的な制度ですが、申請は簡単です。住民登録している市区町村役場の国民年金担当窓口にて手続きできます。年金事務所に行く必要はありません。また、郵送でも申請できます。その際必要なものは、国民年金手帳または基礎年金番号通知書です。所得を証明するものは原則必要ありません。

申請が完了すると、後日、国民年金保険料免除・納付猶予申請承認通知書というものが送られてきて、結果が通知されます。原則毎年市区町村役場の国民年金担当窓口で申請する必要がありますが、継続審査申出を行うと毎年自動的に審査してもらえるようになり便利です。

国民年金保険加入者が最も注意しなくてはならないのが、「未納」にならないようにすることです。免除申請を正規に受けて免除されている場合は「未納」にはなりません。国民年金保険料を支払っていないことが未納なのではなく、納付義務がありながらなんの申請もなくただ支払っていない状態を未納といいます。

photo by: karlnorling

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