個人資産を守りながら事業展開する

個人事業主の場合、△△さんの負債も、△△商店の負債も法的には同じくくりです。前の記事でも話しましたが、個人事業主は財布を分ける必要が無いだけに負債も同じ持ち物になってしまいます。

個人資産を守りながら事業展開する

これが法人成りして会社になった場合、会社の負債は会社が支払うべきものです。そのため、万が一支払いが滞ったとしてもそれは会社の責任であり、社長や役員個人にその責任は及びません。株主も同じく出資した範囲での責任にとどまります。つまり会社の場合、倒産など起こした場合でも形式的には個人に返済義務は発生しません。これを有限責任といい、責任が限定的であることを示します。しかし、会社の形式によっては無限に責任が追及される無限責任というものもあります。

通常個人に返済義務が無かったとしても、連帯保証がついた場合は別です。仕入業者は、普通は多額でなければ買掛金の決済に保証人をつけることは要求してきません。しかし、不動産の賃貸借や金融機関からの借入れには、全てといっていいほど社長個人の連帯保証を条件に会社としての契約をさせられます。つまり会社が支払いを滞った場合、連帯保証人として社長が代わりに返済しなければなりません。

法人成りした場合、それまでに事業のために個人名義で借りていた借金があれば、これを会社名義にするように金融機関から促されます。しかしここで注意が必要です。なぜなら、個人で支払うべき借金を会社が肩代わりすることになり、税務調査の場合、借入に対する返済そのものを、社長への賞与としてみなされる場合があるからです。そうなると以前お話したように、社長への賞与は会社の経費として認められない、結末になってしまいます。

photo by: CocteauBoy

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